三次元有限要素磁界解析の入口

ここでは,浅学な私が無謀にも辺要素を用いた三次元有限要素解析の定式化にチャレンジする試みです.三次元辺要素有限要素法は磁界解析技術の中でもとくに重要であり,また理解するためには相当勉強しないとアウトラインすら掴めません.しかしながら,磁界解析をかじってしまった私はここの部分を知らずして終わるわけにはいきません.辺要素有限要素法に興味があるのは,この手法が開発・研究されてきた経緯について知ったからです.この辺の事情は
羽野光夫先生:「辺要素開発秘話」,日本AEM学会誌,Vol.7,No.3,pp.273〜277 (1999)
亀有昭久先生:「辺要素開発余話」,日本AEM学会誌,Vol.8,No.4,pp.454〜461 (2000)
に詳しく述べられておりとても興味深く読ませていただきました.研究の経緯やその時考えていたことなどがいろいろ書かれていて,読んでいてやる気が湧いてきました.

他の文献も少々あさった結果,おぼろげながら見えてきたのは,辺要素法は,それまでのスプリアス解の発生による三次元有限要素磁界解析の深刻な問題を解決すべく開発された技術だということです.

三次元辺要素有限要素法をなんとなく理解するためには,

クーロンゲージなどの電磁気学的なゲージ変換を定式化に導入しないこと
ベクトル公式とガウスの発散定理による弱形式化
節点要素と辺要素
磁界問題で満たすべき境界条件
NewtonRaphson法とICCG法のコンビネーション

などについてかじっておく必要があります. これらを本当によく理解するためには,電磁気学とベクトル解析の知識をフル稼働して,なおかつ実際にプログラムを作って動かしてみることが効果的だと思われます(~~;).しかしながら,現実的にはここまでたどり着くのはなかなか困難なので下記の文献などを読んで納得しましょう.

   
羽野光夫:「辺要素開発秘話」,日本AEM学会誌,Vol.7,No.3,pp.273〜277 (1999)
 
亀有昭久:「辺要素開発余話」,日本AEM学会誌,Vol.8,No.4,pp.454〜461 (2000)  
中田高義,藤原耕二,今井徹也:辺要素を用いた場合の磁気ベクトルポテンシャルの振舞い,平成3年電気学会全国大会講演論文集 874,pp.8−6(平成3年)  
中田高義,藤原耕二,今井徹也:電流の連続条件が三次元磁界解析結果に及ぼす影響,平成3年電気学会全国大会講演論文集 877,pp.8−9〜8−10(平成3年)  
中田高義,藤原耕二,白木康博:T−A−Ω法を用いた三次元うず電流解析,平成3年電気学会全国大会講演論文集 878,pp.8−11(平成3年)  
藤原耕二:A−φ法による三次元渦電流解析,平成3年電気学会全国大会講演論文集 11-1,pp.S.11−1〜S.11−4(平成3年)  
まだまだ追加予定  
   

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