例題8 平板の非定常熱伝導解析(温度拘束問題)
出典:矢川元基,宮崎則幸:「FEM+BEM=10 有限要素法による熱応力・クリープ・熱伝導解析」,サイエンス社,pp.17〜19(1985)
2次元/非定常/線形/完全陰解法/問題 節点数:451 要素数:800 タイムステップ:0.01 [sec]
境界条件
領域上端(Y=0.05)下端(Y=0.00):連続境界条件=断熱境界条件
領域左端(X=0.00)右端(X=0.05):温度 0.0 [℃]

物性値:熱伝導率:398.0 [ W / m℃ ] 比熱:386.0 [ J / kg℃ ],密度:8880.0 [ kg / m3 ]

寸法:L1 = 0.10 [m] L2 = 0.05 [mm]
解析モデル (フルモデル )

図 1 に示すような,初期温度が 100 [℃] 一様である平板を考えます。
この平板の左端と右端が時刻 0.0 [sec] より 0.0 [℃] に拘束された場合の平板の温度を計算します。
計算は,時刻 0.0 [sec] から 10.0 [sec] まで完全陰解法により計算し,理論解と比較します。

図 1 解析モデル

 

 

図2 解析モデル

計算結果 温度分布

図 2-1 温度分布 自作コード

図 2-2 LS-DYNA による計算結果

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温度分布グラフ

本例題は,x 方向にのみ温度分布が変化する 1 次元問題です.本例題の解析解(*)は次の式で与えられます.

■平板内の温度


T0 [℃] (固定温度)
λ [W/m℃] (熱伝導率)
c [J/kg℃](比熱)
ρ [ kg / m3 ] (密度)
l [ m ] ( x 方向の長さ)
t [ m ] ( 時刻 )

 

図3 X[m] における温度分布

数値データ
表1-3に数値データを示します。

表1 1.0[sec]における温度分布の理論解と計算値

表2 5.0[sec]における温度分布の理論解と計算値

表3 10.0[sec]における温度分布の理論解と計算値